近年の気候変動により、世界の平均気温は年々上昇を続けています。
2015年のパリ協定では、世界共通の長期目標として「世界の平均気温の上昇を工業化前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求すること」が合意されています。しかし、2023年時点で、すでに約1.45℃上昇してしまっていることは、すでに報道等で知られている通りです。

出典:気象庁「世界の年平均気温」に凡例を追記
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html

世界の月間平均気温推移

「世界の月平均気温偏差」のデータが気象庁で公表されています。
そこからグラフを作成したところ、下記の様になっています。

出典:気象庁「世界の月平均気温偏差(℃)」から作成
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/list/mon_wld.html

1991〜2020年の30年平均値を基準値(0)とし、そこからの偏差を表しています。1891年から2024年5月までのデータをプロットし、1800年代を黒、1900年代前半を青、1900年代後半を緑、2000年代をオレンジとしています。色別にみると、まずは年々上昇していることが、はっきりと読み取れます。

さらに注目していただきたいのは、2023年の5月から2024年5月までの太い赤線の部分です。これまでともかなり違うレベルで、1年間連続して最高値を更新し続けています。
エルニーニョ現象が発生しているためだと言うこともありますが、過去にもエルニーニョ現象は発生していますので、最高値を更新して良いという話ではありません。
状況はかなり深刻です。

また、BBCで報道されたところによると、世界の平均海面水温も同じように過去1年間更新し続けています。
BBC:世界の平均海面水温、史上最高を過去1年間「連日更新」 記録的暑さで

2023年の世界の異常気象

気象庁では「世界の年ごとの異常気象」についてもまとめられています。
2023年の状況は下図の様になっています。

出典:気象庁「世界の年ごとの異常気象 対象期間:2023年」
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/annual/annual_2023.html

世界の各地で高温による気象災害が発生していますし、日本でも5月から9月で9万人以上が熱中症の疑いで搬送されています。

まとめ

世界の気候変動による影響は、感じている以上に深刻な状況です。
なんらかの変化は確実に求められますし、その変化への対応へもかなりのスピードが必要です。
すでに影響は出ていますし、残された猶予は多くありません。
将来的にも安心して暮らせるように、「今」将来に向けて行動を決定する必要があります。